日経225 株価始めました!
通常、使用者の属性に応じてカードごとに利用限度額が定められている。日本では一般カードで5万~50万円ほどと決まっている。
セールスマンからみれば、「メリルリンチーディレクト」のような本社部門で管理するオンライントレードーサービスを顧客が利用するようになった場合、自分の管理する口座からの手数料収入、ひいては自分個人の収入が直接減ってしまう仕組みになっていたのです。
仮に、セールスマンの報酬体系が、わが国の証券会社で一般的にみられる月給制になっていたらどうだったでしょうか。
顧客がオンライントレードーサービスヘシフトし、セールスマンの所属する支店の手数料収入が減ったとしても、すぐに月給そのものが削減されるわけではありません。
長期的にオンライントレードーサービスが主要なチャネルとなり、セールスマンの数が過剰になったとしても、コールセンターなど、オンライントレードのために必要な施設へ配置転換するといったことで、効率化を進めることも十分に可能でしょう。
しかし、アメリカのブルーサービス証券会社の場合、セールスマンの転勤が原則として存在しないことも、こうした対応を困難にしました。
ブルーサービス証券会社は、こうしたジレンマを解決するために、個々の取引に応じた手数料(いわゆるコミッション)ではなく、顧客の資産残高に応じて固定的な手数料(いわゆる徴収するタイプの口座にオンライントレード機能を付加するという戦略を打ち出しています。
この場合、顧客がオンライントレードを利用しても、固定フィーの一定部分がセールスマンの収入にはいるという点に変化はないので、セールスマンも積極的にオンライントレードの利用をすすめることができます。
こうしたサービスは順調な拡大をみせており、遠からずブルーサービス証券会社の顧客も広くオンライントレードを利用するという時代がやってくるものと予想Iされます。
わが国では、インターネットを利用した本格的なオンライントレードーサービスは、九六年に初めて登場し、翌年一月までには、N、Y、NKの大手三証券会社とI燈券(現I証券)のサービスが出揃いました。
新しい金融サービスは、先進国アメリカに数年の遅れでわが国に導入されるケースが少なくありません。
しかし、インターネットーオンライントレードについては、アメリカでEトレードが注目を集めたのが九六年の春ごろですから、スタート時点から遅れていたとはいえないでしょう。
アメリカの場合と同様に、わが国でも、インターネットの利用が本格化する以前から、証券会社によるオンライントレードーサービスは存在しました。
ただし、専用取引用ソフトウェアと商用オンラインネットワーク上でのサービスが二本柱となったアメリカとは異なり、わが国では、家庭用ゲーム機を株式売買などの発注用の端末として利用する「ファミコントレード」と呼ばれるサービスが大手証券会社によって提供されていたのです。
「ファミコントレード」は、利用できる機能がそれほど充実していなかったことや家庭用ゲーム機をゲーム以外の用途に利用するという考え方が一般に浸透しなかったことなどから、それほど広く普及しませんでした。
証券会社側でも、「ファミコントレード」をリテール営業戦略の要として位置づけるといった対応ほとりませんでした。
一方、専用取引用ソフトとパソコンを利用したオンライントレードに対しても、アメリカの状況を横目に見ながら関心を抱いていた証券会社も少なくなかったようです。
しかし、わが国では、パソコンの家庭への普及率がアメリカに比べてかなり低かったこともあり、本格的なサービスは登場しませんでした。
また、商用オンラインネットワークについても、わが国では「パソコン通信」と呼ばれて電子メールのやり取りが利用形態の中心となっていたためか、証券会社のサービスに活用しようとする動きはあまりみられなかったのです。
インターネットを通じたオンライントレードーサービスも、当初は、証券会社の戦略上それほど重要な位置づけを与えられませんでした。
大手証券会社以外では最も早くインターネットーオンライントレードを開始し、「インターネットのI澄券」をキャッチフレーズとしたI讃券を別にすれば、若手ビジネスマンやOLなど、証券会社の従来の中心的な顧客層とは違う層への浸透を図るための手段、といった程度の捉えられ方だったのが実情です。
オンライントレードを利用するのに年間一万円以上もの利用料を支払わなければならなかったこともサービスが普及するうえで大きな妨げとなりました。
わが国でインターネットーオンライントレードが飛躍的な発展を遂げるきっかけとなったのは、九九年十月の株式売買委託手数料の完全自由化でした。
手数料自由化は、九六年十一月に首相(当時)の指示にもとづいて開始されたわが国金融システムの抜本的改革「金融ビッグバン」における主要な柱の一つとされました。
「金融ビッグバン」は、二〇〇一年までにわが国の金融市場をニューヨーク、ロンドンと並ぶ国際的な市場として再生させるという目標を掲げて進められ、様々な規制の緩和、自由化が実行されました。
八〇年代後半のバブル経済が崩壊した後に表面化した深刻な不良債権問題は、銀行に過度に依存する間接金融中心の金融システムの限界を露呈しました。
そこで「金融ビッグバン」では、企業の資金調達を銀行借り入れから社債や株式といった直接金融型の手段へとシフトさせるとともに、個人金融資産の過半を預貯金が占めるという状況を変化させ、投資信託を含む有価証券投資の割合を高めることがめざされたのです。
そのためには、既存の業者の保護・育成に力点を置いた従来の証券行政のあり方を改め、証券市場における競争を促進することが必要だと考えられたのです。
その結果、断行された手数料自由化と、それに先立って九八年十二月から実施された証券会社の免許制から登録制への移行は、これまでの証券業界のあり方を根底から揺るがしました。
六五年に当時の最大手証券会社の一つ、Y誇券が経営破綻に陥るなど、いわゆる証券恐慌が起き、六八年、証券業の免許制が導入されました。
それまで、銀行や保険会社の設立が免許制だったのに対し、証券会社については登録制がとられ、比較的自由に設立することができました。
しかし、証券会社の経営破綻が大きな社会問題となったことを機に、証券会社に対しても、公益と投資家保護の観点から銀行や保険会社など他の金融機関と同じような厳しい規制が課せられることになり、大蔵省による強力な行政指導のもとで、証券業界の近代化を進めるという方針が明確にされたのです。
免許制のもとで、わが国の証券会社は、飛躍的な発展を遂げました。
しかし、行政主導の業界秩序が、個々の会社の創意工夫による競争の展開の妨げともなり、「護送船団方式」と鋸楡されるような側面を伴っていたことも否定できません。
六八年以降、二十年以上にわたって、外資系証券会社による東京支店開設を除けば、証券業務への新規参入がほとんどみられないという状況が続きました。
沖縄県の本土復帰で地元の証券会社が証取法上の免許を新たに取得したほか、株式店頭市場の売買を仲介する日本店頭証券と債券市場における業者間売買を仲介する日本相互証券といった、業界全体の共通インフラ的役割を果たす特殊な証券会社の新設はありましたが、既存の証券会社と正面から競争するような新規参入は、海外で実績を有する外資系に限定されていたのです。
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